第12章 カリーナ

登録を済ませた翌日の午後。アリシアは寮へ戻り、魔法書を開いたまま夢中で頁を追っていた。

休憩スペースのほうから、深い栗色の髪の少女がスカートの裾をつまみ、こつこつと早足で近づいてくる。顔を上げた瞬間、アリシアは一目で分かった――カリーナ。前の人生で、彼女の「取り巻き」としていつも隣にいた少女だ。

カリーナは伯爵家の令嬢。ただ、家はすでに傾きかけていて、家格だけで言えば公爵家とは隔たりが大きい。上流の輪に残れているのも、公爵令嬢の交友に連なっているから――それが実情だった。

それでも二人が近かったのは、カリーナが同年代では珍しく魔法の才を持ち、なおかつ、ひたすらにアリシアの機嫌を取り、何...

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